「さっきも同じことを注意したのに、また指示を守っていない」
ChatGPTを使い始めた頃は、多少の間違いなら修正すれば済むと感じるかもしれません。しかし、毎日の仕事やブログ運営で使い続けると、同じルールを何度も説明する時間そのものが負担になります。
特に困るのは、ChatGPTが「今後は守ります」と返答した後でも、別の回答で同じ禁止事項を破ることです。カスタム指示やプロジェクトの指示にルールを登録していても、必ず守られるとは限りません。
この記事では、実際にChatGPTを継続利用する中で起きた失敗をもとに、指示に従わない原因をどう切り分けるか、何度も注意する負担をどう減らすかを整理します。設定だけで完全に解決すると断言せず、できる対策と限界を分けて紹介します。
ChatGPTが指示に従わないとき、本当に困るのは「繰り返し」
一度だけ指示と違う回答が返ってくるなら、修正を頼むだけで終わる場合があります。問題は、同じ注意を何度も繰り返さなければならないことです。
たとえば、記事制作で「タイトルに特定の記号を使わない」「画像の設置場所は本文に存在する文章で指定する」と決めていても、そのルールから外れた回答が返ってくることがあります。
そのたびに利用者は、違反を発見し、何が間違っているか説明し、修正された内容をもう一度確認します。作業を任せるためにChatGPTを使っているのに、確認と再指示の仕事が増えてしまうのです。
初心者の「一度の失敗」と、継続利用者の「何度目かの失敗」は違う
ChatGPTを使い慣れるほど、指示は具体的になります。文章の書き方だけでなく、禁止事項、確認の順番、作業の完了条件まで決めることもあるでしょう。
だからこそ、細かく決めたルールが繰り返し守られないと、単なる回答ミス以上のストレスにつながります。「指示が曖昧だったのでは」と毎回自分の文章を見直すだけでは、問題を解決できない場合もあります。
実際に起きたChatGPTの固定ルール違反
ここからは、当ブログの記事制作や作業支援で実際に経験した事例です。以下は会話上で確認できた出来事であり、すべての利用者に同じ頻度で発生することを示す統計ではありません。

事例1:禁止したタイトル表記が再び提案された
記事タイトルには使わないと決めていた記号が、タイトル案に再び含まれたことがありました。利用者が修正を求めても、その後の別の提案で同様の問題が起きました。
タイトルを考える能力がないというより、タイトルを作る作業と、過去に決めた禁止事項を照合する作業が一体になっていなかったことが、利用者から見た問題でした。
事例2:記事内画像の設置場所に、本文にない文章が示された
記事内画像の配置について、画像の直前と直後にある本文を正確に示すルールを決めていました。しかし、実際の本文に存在しない文章が設置場所として提示され、何度も訂正が必要になりました。
「見出しの下あたり」といった曖昧な案内では、記事のどこに画像を入れるべきか判断できません。文章を一字一句照合する必要がある作業では、もっともらしい案内でも役に立たないことがあります。
事例3:ルールを登録した後も、同じ注意が必要になった
繰り返し説明する負担を減らすため、プロジェクトの指示に固定ルールを登録しました。それでも、後の回答で禁止事項から外れる場面がありました。
この経験から分かるのは、ルールを登録したことと、個々の回答がルールを守ったことは同じではないという点です。ただし、この事例だけで、設定が読み込まれなかったのか、読み込まれていても出力時に守れなかったのかまでは特定できません。
ChatGPTが指示を守らない理由は何?まず3つに分けて考える
「ChatGPTが忘れた」とまとめてしまうと、対策を間違えることがあります。少なくとも、次の3つを分けて確認する必要があります。

| 切り分ける問題 | 確認すること | 考えられる対処 |
|---|---|---|
| 指示が保存されていない | 設定画面に目的のルールが残っているか | 保存先と設定内容を確認する |
| 指示が今回の作業に適用されていない | 利用中のチャット・プロジェクトと設定の範囲が一致するか | 作業する場所と指示の適用範囲を整理する |
| 指示は伝わっているのに回答が違反する | 出力されたタイトル・本文・手順が禁止事項に反していないか | 重要条件を作業単位で明示し、完成物を照合する |
理由1:指示の保存場所と適用範囲が一致していない
ChatGPTには、会話の中で伝える指示のほか、カスタム指示やプロジェクトの指示など、複数の方法で希望する回答方針を伝える仕組みがあります。
たとえば、あるプロジェクトで設定したルールが、別の場所で始めたチャットにも同じように適用されるとは限りません。まずは、今作業している場所と、ルールを登録した場所を確認することが重要です。
理由2:複数の指示が重なり、優先関係が分かりにくい
「できるだけ簡潔に答える」と「根拠を詳しく説明する」のように、状況によって両立が難しい指示があります。さらに、過去の指示と最新の依頼が異なる場合もあります。
このときは、禁止事項、必須条件、好みの表現を分けて記載すると、どの条件を最優先で守るべきかが明確になります。ただし、整理すれば必ず守られるという意味ではありません。
理由3:ルールを理解したように返答しても、完成物が一致するとは限らない
ChatGPTは自然な文章を生成できますが、通常の会話で「理解しました」と答えたことは、次のすべての回答に対する遵守保証ではありません。
特に、長い記事の作成、複数の条件を同時に満たす作業、元の文章との厳密な一致が必要な作業では、回答後のチェックが重要になります。
なお、個別の違反について、内部処理のどの段階が原因だったかを利用者側から断定することはできません。「AIがわざと無視している」と考える根拠もありません。
カスタム指示・プロジェクトの指示・メモリは何が違う?
似た機能に見えても、役割は同じではありません。指示が守られないと感じたときは、何をどこに登録しているか整理しましょう。
| 機能 | 主な役割 | 固定ルールとの関係 |
|---|---|---|
| カスタム指示 | ChatGPTへの共通の希望や回答方針を伝える | 幅広い会話で使う基本方針に向く |
| プロジェクトの指示 | 特定のプロジェクトでの作業方針を伝える | ブログ運営など用途が決まったルールに向く |
| メモリ | 過去のやり取りなどから関連情報を活用する | 厳密な作業手順や禁止事項を保証する仕組みではない |
| 現在の依頼文 | 今回行う具体的な作業と条件を指定する | 完成物の必須条件を明示しやすい |
機能の名称や設定画面、利用できる範囲は変更されることがあります。操作方法はChatGPTの現在の設定画面やOpenAIの公式ヘルプで確認してください。

大切なのは、メモリに残っているから、すべての固定ルールを毎回正確に実行できるわけではないということです。繰り返し使う重要な禁止事項は、プロジェクトの指示などに明示しておき、必要に応じて今回の作業でも指定する方が確認しやすくなります。
何度注意しても直らないときに試したい5つの対策
ここで紹介するのは、指示違反を減らすための実務的な方法です。当ブログで改善率を測定した結果ではなく、効果を保証するものでもありません。

対策1:禁止事項を「守ってほしいこと」と分けて書く
「分かりやすいタイトルにしてください」だけでは、避けたい表記まで伝わりません。禁止事項は別に記載します。
たとえば、「記事タイトルは自然な日本語にする」「タイトルの区切りに『|』を使わない」「確定済みタイトルは変更しない」のように、判断できる形で書きます。
対策2:完成条件を確認できる言葉にする
「画像の設置場所を正確に教えて」よりも、「完成済み本文に存在する直前・直後の文章を一字一句そのまま引用する」の方が、正誤を確認しやすくなります。
「丁寧に」「適切に」といった抽象的な指示が悪いわけではありません。ただし、間違いを避けたい工程では、誰が見ても照合できる条件を加えることが重要です。
対策3:長い固定ルールは、共通ルールと今回の必須条件に分ける
毎回すべてのルールを貼り付けるのは負担になります。一方、長いルールを保存しただけで安心するのも危険です。
共通する運用方針はプロジェクトの指示にまとめ、今回の作業で特に間違えてはいけない条件だけを依頼文に記載する方法が考えられます。
たとえば記事タイトルの作成なら「禁止記号」「文字数の目安」「既存タイトルとの重複確認」を、画像配置なら「本文との完全一致」を今回の必須条件として指定します。
対策4:「謝罪」ではなく「修正結果」を確認する
「申し訳ありません。今後は守ります」という返答だけでは、作業は完了していません。重要なのは、実際の成果物が条件を満たしたかどうかです。
タイトルなら禁止記号が含まれていないか、画像配置なら引用した文章が本文と一致するかを確認します。同じ問題が続く場合は、謝罪や説明を増やすより、出力の形式とチェック項目を見直す方が実務的です。
対策5:厳密な一致が必要な作業は、別の方法でも検証する
文字数、数値、URL、本文の引用、表の列などは、見た目だけでは間違いに気づきにくい項目です。
文字数は文字数カウント、数値は計算、本文の一致は検索や比較など、作業に合った確認方法を使いましょう。ChatGPT自身に再チェックを依頼することもできますが、同じAIによる自己確認だけで完全な正確性を保証することはできません。
文字数の指定が守られない問題については、別記事のChatGPTの文字数カウントがおかしいときの対処法でも扱っています。
そのまま使える、固定ルール違反を減らすための指示文
次の文章は、ChatGPTに記事や資料の作成を頼む際のひな形です。必要な部分を自分の作業に置き換えて使ってください。
これから依頼する作業では、次の条件を必須とします。
【作業内容】
ここに今回の作業を書く。【必須条件】
1. 確定済みの内容を勝手に変更しない。
2. 指定した禁止事項を守る。
3. 元の文章を引用する場合は、一字一句一致させる。【禁止事項】
ここに今回の作業で避けたい表記や操作を書く。【完了条件】
提出前に必須条件と禁止事項を照合し、満たせない項目がある場合は、満たしたふりをせず明示する。
このひな形の目的は、曖昧な依頼を減らし、完成物を確認しやすくすることです。入力しただけでルール違反がゼロになるわけではありません。

それでもChatGPTが同じ指示を破る場合はどうする?
設定を増やす前に、違反が起きる場面を絞る
すべての作業で問題が起きるのか、タイトル作成や長文編集など特定の作業だけなのかを分けてみてください。問題のある作業が絞れれば、毎回すべてのルールを説明し直す必要がなくなる可能性があります。
作業を分割して、確認する単位を小さくする
長い記事の構成・本文・画像配置を一度に依頼するより、本文を確定してから画像配置を判断するなど、工程を分けた方が間違いを発見しやすくなります。
ただし、工程を細かくしすぎると、やり取りの回数が増えて逆に負担になることもあります。修正が多い工程だけを分けるのが現実的です。
ChatGPTだけで解決しようとしない
何度も同じ修正を求める時間が大きいなら、別のツールや人による確認を組み合わせる判断も必要です。AIに任せる目的は、やり取りの回数を増やすことではなく、作業全体の負担を減らすことだからです。
ブログの記事制作に利用するAIを比較したい場合は、ブログ初心者向けAIライティングツールの比較記事も参考にしてください。ただし、ツールを変更すれば指示違反がなくなると保証するものではありません。
ChatGPTの指示違反に関するよくある質問
「今後は守ります」と言ったのに、また破るのはなぜですか?
その返答は、以後のすべての出力が条件を満たすことの保証ではないためです。今回の指示が保存されているか、適用されているか、完成物で守られているかを分けて確認しましょう。
カスタム指示に書けば、毎回同じルールを守りますか?
カスタム指示は回答方針を伝える手段ですが、厳密な遵守を保証するものではありません。特に重要な禁止事項は、作業ごとの依頼文にも明記し、完成後に照合することをおすすめします。
長いチャットを新しくすれば改善しますか?
新しいチャットで条件を整理し直すことは試せますが、必ず改善するとは限りません。新しいチャットでは、それまでの会話で共有した条件が同じように参照されない可能性もあるため、必要な前提を明示することが大切です。
同じことを何度も注意するしかないのでしょうか?
毎回同じ説明を繰り返す必要があるとは限りません。共通ルールの保存、今回の必須条件の明示、完成物の照合を組み合わせることで、修正の手間を減らせる可能性があります。ただし、完全に防げる方法としては紹介できません。
まとめ:ChatGPTを使い慣れた人ほど、指示を守る仕組みが重要になる
ChatGPTが指示に従わないとき、最もつらいのは一度の失敗ではありません。何度注意しても同じことが起き、確認と修正に時間を奪われることです。
今回紹介した実例からも、固定ルールを登録しただけでは十分とは言えないことが分かります。まずは「保存されていない」「今回の作業に適用されていない」「回答で守られていない」を切り分け、重要な条件を確認できる形にしてください。
そして、謝罪や「理解しました」という返答より、実際に完成したものがルールを守っているかを基準に判断することが大切です。
ChatGPTを使う目的は、AIを何度も教育し直すことではありません。自分の時間を取り戻すために、任せる作業と確認する作業を見直していきましょう。

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